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町外れに、古い図書館がある。
その図書館の何処かに、
『恋の願いを叶えてくれる、魔女を呼び出すための恋文が隠されている』
…そんな夢物語みたいな話に引かれて、わざわざやって来たあたしも、いい加減夢見がちな性格だと思う。
でも!
でも!
そんな噂にすがりたいくらい、あたしの恋は叶いそうにはない。
「ここ…だよね」
街中にある、王立図書館に比べるとずっと小さくて、古い図書館…
あたしはそのやたら凝った造りの門扉をゆっくり押す…
開いてるよ!
閉まってたら諦めて帰るつもりだったのに…
で、でも!
扉が開いてなかったら諦めて帰る…
て、開いてるしぃ…仕方がない、此処は腹を据えて入るしかない!
「あのぉ…どちら様でしょうかぁ?」
「!んっ、きゃあああああ!」
びっ、吃驚した!
吃驚したよ!
あたしの猫耳の毛がびしばしに逆立っちゃう!
そぅっと振り替えって声の主を見てみた。
「はぅ…耳がキンキンするですぅ~」
そこにいたのは…可愛い、長耳族の女性でした…
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