4人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
「あたしには片想いしている人がいるんです。
…学校の先輩で、優しくって足が早くって気配りができて、ちょっと背は低いけど勉強も出来てみんなの人気者で…王立の魔法学校に編入が決まって…魔法学校に行っちゃったら、中々会えないって思ったら、やっぱり後悔はしたくないから告白しかないって…
でも告白して振られるのも怖いし…
友達に相談したら、みんな、みんな諦めろって言うし…」
あ、なんか泣けてきた
「うん、先輩があたしを好きになんてなってもらえないってわかってるの、わかってるんだけど…」
涙がバカみたいに溢れて、膝に、テーブルにバタバタ落ちる。
尻尾まで、力なくして落ちてきたのがわかる。
「ね、鼠族の先輩が猫族のあたしを怖がってるの、知ってるけど、好きなのぉ~!」
「は、はぁ…鼠族、ですかぁ…」
「しかもあたし、ぶち猫だし!せめて真っ白、とかだったら可愛くてよかったのにぃ」
「ぶち猫も可愛い、と思いますよぉ」
「好きだ好きだ良いながらもつい、いぢめちゃうしぃ!」
「いぢめるのはよくない、と思いますぅ」
「猫族の習性だもん!仕方ないでしょう!」
「…長耳族なので…」
泣き喚きながらも、何杯目かのお茶を飲み干したあたしは、
息を吐いて、椅子の背もたれに体を預けた。
うん、なんかすっきりした。
「ありがとー、カモミールさん、なんか楽になったよ」
「それは…何よりですぅ」
やっぱり、ほわほわした笑顔。…
ち、ちょっと疲れてるかな?喋りすぎたかも
,
最初のコメントを投稿しよう!