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「うん…とりあえず、告白してみる。
猫と鼠じゃ無理、って言われるかも、だけど、頑張ってみるね」
「はい、僭越ながら、応援、させていただきますぅ…あ、ちょっと待ってて下さいねぇ」
カモミールさんは、立ち上がると奥へと歩いていった。
改めて回りを見回すと、凄い造りの部屋…
んーあれ?大聖堂の聖者の間と同じレリーフが飾ってあるや…もしかして、凄い部屋なんじゃ…
「お待たせしましたぁ。これ、お守り代わりにどうぞぉ」
と、カモミールさんが差し出したのは…聖印…しかもアンティーク風!
「か、カモミールさん!こんな高いもの貰えません!」
し、尻尾逆立っちゃう!
「あのぉ、何度も言いますけどぉ、ここ、魔法専門図書館なんですよぉ?この手の物はそれこそ、腐るくらいありますからぁ」
銀は腐りません
「それにぃ、それ、私のお古ですからぁ、気になさらないでくださいねぇ~」
そう言われて、まじまじと聖印をみる。
とても、綺麗
「んじゃあ…お言葉に甘えて…」
ぎゅっと、握って懐に直す。
「告白、上手く行くといいですねぇ」
「ありがとう!報告しにまたくるね!」
「お待ちしていますぅ」
あたしは振り返らず、真っ直ぐ街に向かった。
先輩に告白するために。
だからあたしは気がつかなかった
あたしを見送るカモミールさんが、狼族の青年と並んでいたのを…
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