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「…ってな感じだったのさ。」
はい、皆さん初めまして。
俺の名前は『鈴木太一(すずきたいち)』。
バラ色の青春を謳歌したいと願う高校二年生だ。
今は俺の周りにいる男友達に俺の過去を語っていたところなのさ。
そう、皆さんがプロローグだと思ってたのは、ただの雑談だったのさ!!
「…って、終わりっすか!?
てか俺らが聞きたいことなんも入ってなかったっすよ!!」
この、今の若者が敬語だと勘違いしてるような口調でしゃべってるコイツの名は『佐渡善樹(さわたりよしき)』。
お調子者でノリ重視な男で俺としてはつるみやすい奴だ。
「いや、佐渡。
多分、鈴木は僕達を試してるんだ!
きっとさっきの話の中に重大なヒントがあるに違いない!!」
拳を握りながら、困難に立ち向かうチャレンジャーみたいな顔で叫んでるのは『後藤元(ごとうはじめ)』だ。
大真面目な顔でずれた発言を繰り返す、天然とバカの境界線上にいる男だ。
「鈴木!出し惜しみは良くねえぞ!」
「そうだ!てめえの過去話なんか興味ねえんだよ!」
「我々に女神の情報を!」
「…はぁはぁ…。
今日の彼女は何色のパンツなん…?」
そしてコイツラは上から『友達A』『友達B』『友達C』『友達D』だ。
まあ、どうせそんなに出てこないしこんなんで良いだろ。
「まあまあ、そういきり立つな少年。」
俺は目の前で鼻息を荒くしながら迫る級友達に、なだめるように手をふった。
いきなり本題を話してしまうと、奇声をあげて走り去ってしまうのは過去の経験上わかりきっている。
俺は彼らがこれ以上「…何?あの人達、キモッ…。」と女子の皆さんに言われるのを防いだのだ。
感謝して欲しいくらいだな。
断じて同じ人種と思われるのが嫌だとか、焦らした方がこの後売る写真がよく売れるだとか思ってるわけじゃないぞ!
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