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真二は取って来た求人誌をめくってみた。初めて見たためか、不可思議な読み物に思える。
一緒に働きませんか?
そんな軽快な言葉の羅列とはしゃぐ格好をする写真の点在。毎ページ、事細かに見るのを途方に感じた。写真を主に目を滑らせて、常に右手が次のページをめくろうとしていた。
ヒューと風が音をあげて走った。窓が開いている。カタカタと枠が震え、カーテンがふわりと浮いた。一瞬何かを疑おうとしたが、やめた。思えば暑さで窓を開けっ放しにしていたのは自分だ。
真二は風音に勝るとも劣らないため息を吐き捨てて、窓を閉めようとした。
「春一番か」
またヒューと鳴る。
またカタカタと泣く。
またふわりと揺れる。
後ろでパラパラと応える。
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