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「採用です」
「えっ…あ、ありがとうございます」
「私はカットと申します。今日からよろしくお願いします」
真二の怪訝そうな顔を察し言葉を続けた。
「気付いているかも知れませんが、ここは普通の何でも屋ではありません」
真二は軽く口元をほころばせて頷いた。
「この業界では素性がばれるはあまりよろしくない。ですので、あなたの本名も住所も聞くこともしませんでした。その代わりにと言っては何ですが、コードネームで呼び合っています。では……あなたの名前をどうぞ」
真二は一瞬頭を悩ませた。視線を俯かせて、眉をしかめる。そして怒りを思い出した。哀しみを思い出した。怨みを思い出した。
「直感で言ってください」
「僕の名は…"エンド"……」
カットはうんと頷いてほほ笑んだ。
「ではエンド、社長に紹介します」
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