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「愁栖くん、たっくさん食べていいからね?愁栖くんがくるって聞いたから、量増やしたのよ。」
「ホント?!やったね♪」
「ホントに愁栖くんは良い食べっぷりねぇ…。見てて気持ちいいわぁ。悠斗は全然食べてくれないから…。」
『…食べれないんだもん。』
「またさらに食べなくなっちゃって…。
最近弁当も残すようになったでしょ!」
『あ、…バレてた?』
「ゴミを見れば分かるわ。
だからどんどん痩せてっちゃうのよ?」
『……だって、あんなに食べれないんだもん。』
「もうっ。また明日から弁当少し小さいのにするから、それは全部食べてよね!」
『はーい。がんばりまーす。』
そんなやり取りを母さんとしているのを黙って見ていた愁栖が、何故か難しい顔をしていた。
……嫌な予感がするのは僕だけかな?
これ、絶対そんなことしなくていいとか母さんに言うパターンだよね。そして明日からまた一緒にお昼食べるとか言い出すんだよね。
いや、僕的には嬉しいんだけど、それって僕、彼女さんに恨まれるよね。
「遥さん今のままでいいよ。俺が全部食べさせるから。」
やっぱりそうだった!
うわ、ここまで読めちゃうって僕凄っ!
『大丈夫だってば!今のままでいいよ、母さん!ちゃんと食べるから!』
「…じゃあ、弁当、洗っておいてくれるのは嬉しいけど、これからは洗わなくていいから机の上に置いておいてね?確認するから。」
『…分かった。』
どうしても、愁栖と一緒に食べるのは避けたかった。
ただでさえ、帰りは一緒なんだから。
お昼くらい、彼女といなきゃ。
『愁栖も!別に一緒じゃなくていいから。ちゃんと、食べるから。
だから、昼くらい、彼女といろよな。』
「…わかった。」
とりあえず納得してくれたみたいだ。
でも、どうしようかなぁ…。
僕、絶対全部食べきれない。
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