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「今日なんか嫌なことでもあったか?」
『何も無いよ。元気だから、気にしないで。』
「…んじゃ、やっぱり今日はこっち泊まるわ(笑)」
『はぁっ?!』
「いーじゃん、別に。
最近は泊まってなかったし、食べに来たついでだよ。」
『…母さんに聞いてこれば?』
「まじ?!
んじゃちょっくら行ってくる!」
最後は結局許しちゃうけど。
多分、これがいけないんだ。
僕が嫌だと言えば愁栖はそれ以上は言ってこないし、その話題も出さなくなる。
……どうしようかな、今日。
…爆発、しないよね。
『…好きっていうのは、今日は考えないようにしよう。じゃなきゃ、やってけないし。』
「…何が?」
『……愁栖。』
「何をやっていけないんだ?」
『気にしないで。ただの独り言だから。』
「…そうか。
あ、遥さんが風呂順番に入りなって。」
『先行っていいよ。着替えはいつものとこ、入ってるから。タオルもね。』
「さんきゅ。んじゃ、先に行かせてもらう。」
『ごゆっくりー。』
暫くタンスをごそごそ漁って着替えとタオルを引っ張りだし、部屋を出て行った。
僕は何もする気になれず、さっきまで愁栖が寝ていたベッドへダイブした。
枕へ顔を埋めると、ほんのり愁栖の香がした。
その匂いを嗅ぎながら、急激な眠気に襲われ、抵抗することなく、眠りへと落ちていった。
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