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必死に桜の世話をして、寝ないでフレグランスを調合していただろう四季の姿が頭の中をよぎった。
またどくりと心臓が跳ねる。
あぁ、私はもうコイツでいっぱいなんだ……。
あれだけ嫌いだったはずなのに、いつの間にか私の心に入り込んでた――まるで、桜の香りのように。
でも、好きなんて言うのはなんだか嫌だった。
だから……そっと四季の手を握った。
驚く四季と私の間に、一片の花びらが舞う。
季節外れの桜と共に、私達の恋は咲いた。
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