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「さぁ、本日はどのようなお茶をご所望で?」
やって来たのは中学生くらいの女の子。
確かに悩みの多い年頃ですね。
「……力が……力が欲しいんです……」
少女は拳を握りしめて、俯いた。
「力、ですか?」
珍しいことを言う子ですね。
「あ……身体的な力じゃないんです。その……人を元気にする力が欲しいんです」
「人を元気に……素敵な願いですね。……力を望む理由、教えてくれませんか?」
興味を惹かれました。
こんな願いを持ってくる人は少ないから。
ここに来る大体の人は、いつも自分の利益になる願いを持ってきます。
お金が欲しい、キレイになりたい、彼女が欲しい、あの人に死んで欲しい……人間の貪欲さに参ってしまいそうになります。
その中で、ようやく求めていた願いに辿り着けそうだったのです。
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