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「それじゃあ、また明日」
彼女はどこかいつもより嬉しそうに言って窓を閉めた。
オレも小指を見つめながら嬉しく顔を緩ませながら家に入った。
そしてただいまもそこそこに自分の部屋に籠る。
何故なら明日の準備をしなければならない。
糊の効いたシャツとズボンを探しだし用意する。
コートには自分でアイロンをして皺をのを伸ばした。
財布の中身を確認し、ヘソクリからお金を移動させておく。
後は明日の朝、髪型を整えれば完璧だ。
その日の夜は興奮してなかなか寝付けなかったが、なんとか朝を迎えた。
糊の効いたシャツとズボンを着て、歯磨きを済まし、髪型を整える。
すると母がこちらにやってきて、彼女が来たことを報告してくれた。
オレは慌てて財布をポケットに突っ込み、玄関に向かう。
「おはようございます」
彼女はふんわりとしたロングのコートを羽織っており、玄関に佇んでそう言った。
「おはよう。ほな、行こか」
オレは靴を履き、外に出た。
しかし、そこから何処に行けばいいか分からない。
「何処に行くん?」
「大きな池のある公園に梅が咲いてるの」
そこなら通学の途中にある公園だ。
「ほな、行こか」
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