落ちこぼれ

6/17
前へ
/30ページ
次へ
「何を…ッ!」 ダークエルフは、微笑みながら唇を重ねてきた。 何分経ったかわからない。だが、気がつくと俺は気を失っていたらしく、樹海ではない草原に横たわっていた。 「あれ…夢…だったのか」 「夢ではない」 ダークエルフは、俺の顔を覗き込んできた。 「うわぁぁぁぁ!」 自分でもびっくりする程の速さで、俺はダークエルフから遠ざけた。 「心外だな。樹海において行ってやれば良かったか?。きっと、今頃骨になっていたと思うがな」 クスクス笑うダークエルフに、俺は少しムッとしたが、流石に助けて貰ったのでは何も言えない。 「とりあえず、助けてくれた事は感謝する」 「ほぅ…なかなか素直だな。まぁ、気を失ったのは私のせいでもあるからな。お前に〝契約〟の接吻で少しばかり魔力を送り込んだのだ」 俺は、引っかかる言葉を耳にした。 「契約…?」 「そうだ。私とお前は主従関係にある」 「俺が、お前に従えと…?」 「馬鹿かお前は。私がお前に従うのだ。まぁ、従わない時もあるかも知れんがな」 いや、従えよ…。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加