彼女の日常

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カウンターに入ると手を洗い場で洗ってアルコールスプレーを吹き付ける。 休止中、と書かれたボードを後ろに置く。 「こちらもどうぞ」 咲希がレジに入る事によって列が減り始める。 レジが一人の時は意外とお客さんが多くなる事がある。 いつものようにカウンター上に置かれた商品を手に取りスキャンする。 そのスキャンした物はマスクだった。 超高級マスク1枚入り599円。 1枚でこの値段、効き目はばっちりのはず。 「すぐ使われますか?」 「うんすぐ使うから袋捨てておいて。もう花粉酷くてさ」 お釣りを渡して袋から出したマスクを渡す。 マスクを装着し「ありがとね」と足早に去って行く男性。 マスクが利いたかどうかは、彼しか知らない。
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