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「さっむ...。」
3月も中旬になるのに、今日はすごく冷える。
地下鉄を出て、あまりの寒さにかじかんできた手をカサカサとこすり合わせる。
「雪まで降って来やがった...。」
空を見上げれば、はらはらと粉雪が待っている。
こんな雪の日は、君を思い出す。
君が逝ったのも、こんな雪が降った日やったなとか思い出しながら家路を急ぐ。
いつもの帰り道。
君とよく通った道。
雪が少し積もって白くなった道は、淡く白く僕を包んでいく。
振り返ったら今でも君が笑ってそこに居る気がして、涙がじわっと溢れる。
君と過ごした日は毎日がキラキラと輝いていて、望めばどんな事も叶う気がして...。
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