悲劇の始まり

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奥の間に連れられ 凜は化粧をし 綺麗な着物を 着せてもらった。 凜『こんなに綺麗な着物、初めて着た…。』 香威「よぉ、お似合いでありんす。」 芽威「さ、魅夜太夫の元へ参りましょう。」 長い廊下を渡り、 一番上の階に魅夜太夫の部屋がある。 香威・芽威 「魅夜さま、新しい禿を連れて参りました。」 魅夜「…………入りなんし。」 凜『し、失礼します。』 ガラガラっ。 中には 煙管を吸い外を見ている 魅夜太夫がいた。 魅夜「おんし、名はなんと。」 凜『り、凜です。』 魅夜「…凜、か…新しい禿には特別な名前をやろうと前から決めていたのだ。」 凜『特別な…名前?』 魅夜「あい。……そうでありんすな…。おんしは、ここにいる遊女にない、特別な感じがするでありんす。」 凜『…。』 魅夜「おんし、これからは紅(こう)と名乗れ。 あちきには夜という字がついておる、夜の色は藍…ならば、おんしは朝の紅色(あかいろ)になれ。遊女で一番輝ける存在になって欲しいという意味でありんす。」 凜『…朝って、普通、赤じゃないですか?』 魅夜「!?…クス、アハハハハハ!!おんし、気に入った。なら、おんしの名は赤(あか)がいいか?」 凜『……いや、紅の方がいいです。』 魅夜「そうでありんしょう…紅、おんしは可笑しい奴じゃな。こんな禿、初めて見たでありんす。」
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