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「…─たさん、…ひなたさん…日向さん!」
日「んんー?」
日向は自分を呼ぶ声で目覚めた。
一番初めに目に入ったのは見慣れない木目の天井だ。
総「日向さん!朝ですよ!」
日「…そうじくん。
おはよう。
やっぱ幕末だよね…。」
日向は起き上がりはぁっと息をついた。
総「日向さん…」
日「あ、ごめんごめん。
しんみりしちゃったね。」
総「いえ。あ、朝ご飯持ってきますね。」
日「うん。着替えて待ってるね。ありがとう。」
部屋を出ていく総司が何やら考え込んでいることに日向は気付かなかった。
…────
…───
…──
布団を畳み、袴に着替え終えるとほぼ同時に総司が朝食の盆を運んできた。
総「朝ご飯ですよ。」
日「ありがとう。」
朝食を受け取り、総司と向かい合って座る。
日向はいつも、朝は洋食だったのでご飯に味噌汁などと言う和食は久しぶりだった。
総「朝ご飯を食べたら副長室に来いと土方さんが言ってました。」
日「わかった。」
総「今日の入隊試験頑張って下さいね?
手は大丈夫ですか?」
総司は朝食を食べながら、日向に言った。
日「うん。頑張るよ!
手は血止まったし、大丈夫。
てゆか、試験て何をするの?やっぱ剣術?」
総「そうですよ。副長助勤の中の誰かが日向さんの相手になるんじゃないですかねぇ?」
日「そっか。」
日向は誰が来てもそれなりには試合になる、ボロ負けはしない自信はあった。
ただ、自分の目の前にいる憧れの剣士、沖田総司以外にはの話だが…。
まぁ、総司の様な凄い人とは当たらないだろ。と日向思いながら、味噌汁をズズッと啜った。
そんな日向の自信を感じ取ったのだろうか。
総司が言った。
総「日向さんは剣道をしていたのですか?」
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