第二章

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総「日向さん、防具要りますかー?」 日「ん?ああ、防具は…」 防具は試合の時は着けなければいけないが、暑苦しくて日向は嫌いだった。 総司くんだし、痛そうだけど暑苦しいのヤだし、実践ってなったら防具なんて無いわけだし… 日「防具は要らないや。 暑苦しいし。それで集中出来ないのはヤだしね。」 総「分かりました。 私も暑苦しいから嫌いです。」 総司はそう言いながら木刀を二本手に取った。 総「はい、木刀です。」 日「ありがとう。」 日向が木刀を受け取った事を確認すると土方が口を開いた。 土「それでは、今から入隊試験を執り行う。 審判は俺が行う。」 日「よろしくお願いします。」 日向は土方、総司の両者に礼をした。 土「おう。じゃぁ両者位置に着け。」 総「お手柔らかに。」 流石に天才剣士と言われるだけあって余裕そうな笑みだ。 道場には初夏に相応しいそよそよとした風が吹いている。 日「此方こそ。」 日向はそう短く切って、構えの姿勢に入った。 構えの姿勢に入った途端に日向の雰囲気がガラッと変わった。 永「空気が…変わった…?」 藤「怖いぐれぇびりびり来るよ。」 原「ああ…。こりゃただ者じゃねぇかもしんねぇな。」 今までの日向からは考えられないような無表情で鋭い視線、そして日向の纏う空気は相手をそれだけで怯ませてしてしまう様な圧倒的なものだった。
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