第二章

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総「この空気…」 総司が日向を見詰めながら呟いた。 総司は何故かその鋭い空気を知っているような気がしたのだ。 土「総司、構えろ。」 土方の言葉にハッとした総司は直ぐ様構えの姿勢に入った。 土「うし。では…、開始!」 その言葉と共に両者は先ず間合いを取る。 そして、一瞬の隙も見せぬように、また相手の一瞬の隙も見逃さぬように神経を研ぎ澄ませる。 …長い時間が経ったような、短い時間なような奇妙な時間が過ぎる。 二人とも、じっとお互いを見詰め、纏った空気は一切切らさずそのままに互いの様子を見極めている。 そして…。 総「…そろそろ…行きますよ…?」 日「…どうぞ…?」 二人のその言葉に周りのギャラリー達がゴクリと唾を飲む。 それほど、緊張感凄まじい試合なのだ。 その時…。 …ダッッ! …パシッッ! 先に剣を出し、沈黙を破ったのは先程の言葉通り総司だった。 しかし、その剣はしっかりと日向の剣に受け止められていた。 ギャラリー達は、あの総司の剣を受け止めた、とざわめいている。 総司と日向はギリギリと詰める。 日「…っ…」 少しずつ、力に圧されて後ろに下がるしかなくなってきた日向。 総司は男で日向は女だ。力勝負となれば日向が不利になるのは明白だ。 そのため、一度日向は総司から飛び退き、間合いを取る。 そして…───
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