第二章

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総「大丈夫ですよ。 凄いですね。日向さん。 まさか負けてしまうとは。学べる事が沢山ある試合でした。」 総司はにっこりと笑って答えたが、心中は悔しいのだろうなと永倉、藤堂、原田の三人は思った。 永「それにしても、日向、お前三段突きが出来んのか? あの技は普通の奴じゃあんな速くは繰り出せねぇ。それどころかこの技自体が出来る奴が少ねぇ。 今までそれが出来たのは、総司だけだ。」 日「うん。総司くんの得意技ってこと知ってるよ。 だから、習得したくてずーっとこればっかやってたら、出来るようになったの。 まさか、これを総司くん相手にやるとは思わなかったけど。」 そう言ってアハハと笑った。 その時、それまで黙っていた土方が声を出した。 土「おい。麻生。お前の処遇について説明するから俺の部屋まで来い。 ああ、あと総司も来い。」 日「はい!」 土方の言葉に、隊士なれるんだ。と言う安心感に包まれた日向は、何だかふわふわとした気分で土方に着いて行く。 総「私もですかぁ?」 日向とは逆に総司は気だるげに土方の後についた。 その後、残された永倉、藤堂、原田の三人は平隊士達のざわめきを治めるのに苦労したと言う(後日談) …──── …─── 副長室に入った三人は、土方は文机の前へ、日向と総司は土方と向かい合う形で座った。 日「あのー、私の処遇ってどうなるんですか?」 日向はドキドキしながら土方に問う。 土「ああ。お前は、総司と同じ巡査の組にする。 んで、今の浪士組には余裕もねぇし、かといって、女のお前を野郎ばっかの大部屋に入れる訳にもいかねぇから、今のまま総司の部屋で暮らしてもらう。 総司いいか?」
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