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「……始まった…」
「どうすりゃいいんだよ」
「怖いよ…」
と口々に言葉を漏らす。
千軌はいくつか疑問を抱いていた。
開始直後聞こえた悲鳴。
武器もないのにどうしてそんなに早く殺せるのか…。
悲鳴だけなら死んだとは限定できないが、悲鳴は途中でブツリと切れた。
生き絶えたと思うのが普通だ。
悲鳴の方向は、三年の方。
もしかして……三年のどれかの組が殺戮コロシアムに関わっているのか……。
あと体育館での、先生による殺し。
殺傷道具はなにも持ってない。
ましてや、首を切り落とすなど刀でも難しい。
なにか特別な力があったりするのだろうか…
(考えても仕方ないか……)
千軌はため息を一つこぼして、こう言った。
『…俺さ……殺戮コロシアムの真実を知りたい。だから、生き残って学園長から聞き出す』
その言葉に奈破は、口角を少しあげた。
ライム、憂、千軌はそれを決して見逃さない。
やはりこの男は危ない。むしろ先生全員が危険だ。
他の者達は未だうろたえている。
『お前らがどうしようと構わない。俺はやる。ただ、俺についてくる奴がいるなら共に生き抜こう』
ライムと憂は、千軌の元へ足を進めた。
そして三人の女子。
二人の男子。
千軌含めて、計八人。
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