壱~最悪のイベント~

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「……始まった…」 「どうすりゃいいんだよ」 「怖いよ…」 と口々に言葉を漏らす。 千軌はいくつか疑問を抱いていた。 開始直後聞こえた悲鳴。 武器もないのにどうしてそんなに早く殺せるのか…。 悲鳴だけなら死んだとは限定できないが、悲鳴は途中でブツリと切れた。 生き絶えたと思うのが普通だ。 悲鳴の方向は、三年の方。 もしかして……三年のどれかの組が殺戮コロシアムに関わっているのか……。 あと体育館での、先生による殺し。 殺傷道具はなにも持ってない。 ましてや、首を切り落とすなど刀でも難しい。 なにか特別な力があったりするのだろうか… (考えても仕方ないか……) 千軌はため息を一つこぼして、こう言った。 『…俺さ……殺戮コロシアムの真実を知りたい。だから、生き残って学園長から聞き出す』 その言葉に奈破は、口角を少しあげた。 ライム、憂、千軌はそれを決して見逃さない。 やはりこの男は危ない。むしろ先生全員が危険だ。 他の者達は未だうろたえている。 『お前らがどうしようと構わない。俺はやる。ただ、俺についてくる奴がいるなら共に生き抜こう』 ライムと憂は、千軌の元へ足を進めた。 そして三人の女子。 二人の男子。 千軌含めて、計八人。
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