ハートのお城に御招待

4/9

341人が本棚に入れています
本棚に追加
/275ページ
「バカアリスっ逃げるって言ってんのに大声で叫ぶやつがあるか!」 「ん゙んぅ、ん゙むぅんむう~!(だから、いみわからん~!)」 陽人がまたあり得ない早さでダッシュしながら、私の口を塞いでいるため意味不明な言葉になってしまった。 「ハァ……何となくわかったから目的地に着き次第説明s……」 「ん゙うっ!(いまっ!)」 「はいはい……俺らは今、城のトランプ兵から逃げているんだ。んで、何で逃げているかって言うとあいつらのボスである紅蓮(ぐれん)…役は『女王』ま、男だから王だけど…に捕まったら『アリス』は殺される……今までだってアイツらに!」 陽人は、声を荒げた。 いきなりの大声に驚いて目を見開いているのに気付いた陽人は、わりぃと言うと、説明を開始した。 「――――殺されるって言うのは、最終的にだ。正しくは溺愛される。監禁されて二度と出ては来れない。」 「そんなのって……」 「あぁ、だから逃げてるんだ。」 逃げている意味はわかった…でも、何でそんな政治が許される? 『役』ってなに? 『アリス』って何なの…? 「――陽人、止まりなさい」 「「!!」」 突然響いた聞き覚えのない声。 陽人の前方に アノうさぎ…… 呉羽和泉がいた。 ,
/275ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加