341人が本棚に入れています
本棚に追加
/275ページ
「バカアリスっ逃げるって言ってんのに大声で叫ぶやつがあるか!」
「ん゙んぅ、ん゙むぅんむう~!(だから、いみわからん~!)」
陽人がまたあり得ない早さでダッシュしながら、私の口を塞いでいるため意味不明な言葉になってしまった。
「ハァ……何となくわかったから目的地に着き次第説明s……」
「ん゙うっ!(いまっ!)」
「はいはい……俺らは今、城のトランプ兵から逃げているんだ。んで、何で逃げているかって言うとあいつらのボスである紅蓮(ぐれん)…役は『女王』ま、男だから王だけど…に捕まったら『アリス』は殺される……今までだってアイツらに!」
陽人は、声を荒げた。
いきなりの大声に驚いて目を見開いているのに気付いた陽人は、わりぃと言うと、説明を開始した。
「――――殺されるって言うのは、最終的にだ。正しくは溺愛される。監禁されて二度と出ては来れない。」
「そんなのって……」
「あぁ、だから逃げてるんだ。」
逃げている意味はわかった…でも、何でそんな政治が許される?
『役』ってなに?
『アリス』って何なの…?
「――陽人、止まりなさい」
「「!!」」
突然響いた聞き覚えのない声。
陽人の前方に
アノうさぎ……
呉羽和泉がいた。
,
最初のコメントを投稿しよう!