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「和泉……」
「貴方が逃げ込む先何て簡単に予測できます。どうせ『帽子屋』のところでもいくつもりだったのでしょう?」
何だろうあの人……声に含まれているのは嘲笑。
でも……冷たい仮面をかぶってるようにしか見えない。
何でフリをするの……?
「和泉は……アリスをアイツに差し出すのか?」
「それが僕の仕事ですから」
私…今……ピンチか。
うん、ピンチだね。
「アリス……この頑固者は何を言っても聞かないだろうからちょっと行ってくるわ」
「う、ん……」
陽人は、私をおろすとその背に私を隠した。
そして、どこから取り出したのか長さの違う二本の剣を構えた。
と、その姿を見た和泉が見下したように笑った。
「陽人、貴方は本当に馬鹿ですね。僕が相手をするなんて言いましたか?貴方の相手をするのはコイツらです」
「「オレらが相手だ!」」
森から出てきたのは、全く同じ見た目の……双子。
何故かとっても楽しそうに笑って……戦闘狂ですかあの人達…
二人はそれぞれ片手に重斧を持ちシンメトリーになっている。
「『門番』光と」
「『門番』薫が相手だ」
「「楽しもうぜ『チェシャ猫』」」
二人同時に走り出した。
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