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「アリスっ!!」
双子から距離をとり、アリスの方を見ると和泉がアリスの首裏に手刀を叩き込んだ瞬間だった。
崩れ落ちたアリスを受け止めた和泉は、そのままアリスを持ち上げ歩き去ろうとする。
「和泉っお前はそれでいいのかよ!?」
「うるさい猫ですね、発情期ですか?
僕は命じられるまま動いているまでです」
こっちを見ないまま答えられても、お前の気持ちなんかわかんねぇよ。
つか発情期ってなんだ発情期って
「『チェシャ猫』お前よそ見してていいの?」
「そうゆう事はオレらを倒してからにしてよ」
眼前に双子が迫っていた。
ヤバい避けられな……
――バンッ
「「っ!?」」
間一髪、鳴り響いた銃声はたぶんアイツだろう。
「『門番』が『チェシャ猫』を襲っとるゆー事は新しい『アリス』がきたってことやな」
森から出てきたのは、大きめなシルクハットをかぶり、両手に黒の銃を構えた男。
「「『帽子屋』っ邪魔すんな!」」
「邪魔とは失礼やな……
2対1じゃお友達が可哀想やろ?
手助けや、フェアにいきましょうやないか」
チッ……
手助けなんて断りたい所だが、今はそうゆう場合じゃない。
「わりぃ……蓮(れん)」
「困った時はお互い様やで!」
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