341人が本棚に入れています
本棚に追加
/275ページ
しばらく森を進むと、辺りは紅茶と甘い匂いに包まれる。
「唯~(ゆい)保名~(やすな)
ただいまー」
「「おかえりなさい」」
大きな机と、多すぎる椅子そして様々なお菓子とティーポット。
蓮の声に答えたのは『御茶会』のメンバーで『三月兎』の保名と『眠りネズミ』の唯だ。
振り向いた二人は、そのまま硬直している。
「陽人…何があったの~?」
「今回は、女にこっぴどくフラれたって訳でもないようだね」
唯…相変わらず口の悪いガキだ。
「新しい『アリス』が来たらしいで?」
「なるほどね~」
「あぁ…また捕られた訳」
「ぅるせぇ」
あんのクソガキ事が終わったらマジで絞める。
「陽人とりあえず手当てするから中入り?」
「わりぃ、頼むわ」
…………
………
……
「んで、どうすんのさ?」
庭に戻ると、唯が聞いてくる。
「『アリス』がいなくなって困るのはウチらも一緒だもんね~」
「それに今回の『アリス』はかわいいらしいで」
相変わらずココはのんびりとした空気だな。
まずは落ち着いてお茶でもしようやないか、と蓮の言葉でそれぞれ定位置に座り紅茶片手に茶菓子をつまむ。
……和んでる場合じゃねェけど
「お前らも奪還作戦に乗るって事だな?」
「蓮がいくなら」
「もちろんいいよ~」
「全員参加や」
上から唯、保名、蓮の言葉
最初のコメントを投稿しよう!