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『女王』ってどんな人なんだろう?
陽人が言うには、私の生死を決める人……だよね?
「アリス、いいですか『女王』の前では絶対に無礼を働いてはいけませんよ?」
「うん……」
長い廊下を私と歩く和泉は、私以上に緊張しているように見える。
肝心の私は初めてみる物ばかりだからそっちのが気になるし。
…………
………
……
「つきました」
「うん」
ひときわ大きな両開きの扉のわきには、トランプの兵が立っている。
「開けなさい」
「「はい」」
和泉が命じると、均整のとれた動きで二人(?)が扉を開いた。
開かれた先は、まさに王の謁見室といった感じで一段上がった場所にある王座には、私と同じくらいの歳の男の人が座っていた。
あの人が『女王』……?
「紅蓮様、『アリス』をおつれしました」
「ご苦労、和泉つれてこい」
「はい」
和泉を見ると、ついて来いと言うように頷くと静かに前へ進んでいった。
「ようこそ『アリス』我が城へ……」
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