ウサ耳イケメンにご用心

4/4
341人が本棚に入れています
本棚に追加
/275ページ
さて、好奇心という名の甘い蜜に誘われた私はいつものように庭先の階段を飛び降りた。 が、いつまでたっても足がつかない。 んで、 そのまま落ち続けているというわけさ。 ………… ……… …… あれ? 足元明るくなってきた? ってか気付いたら回りは青空。 私空から降ってきたみたいになってるわけね? ……は!? まずい、まずいよ? 地面がみるみる迫って来てるからね!! 落下地点は青々とした草原……に寝転んだ人のうえ。 「人のうえ……? ―――ギャァァァッ! どいてぇぇぇ!!」 「…………んぅ?」 その人は、私の叫び声で目を覚ましたらしいが起き上がったまま動こうとしない。 「危ないってばぁぁぁ!」 「誰だ……? ってうわ!?」 時すでに遅し。 その人の上に落下――― と、 いつまでたっても衝撃が来ない。 固く閉じていた瞼を開くと、唖然とした顔の男の人。 どうやら、この人にキャッチされたらしい。 「え……と、ありがとうございます?」 とりあえずお礼を告げると、驚きに目を丸くしていたその人は、 「どういたしまして? ってかアンタ誰?」 疑問が返ってきた。「私……?如月アリス16歳、獅子座です。好きなものは甘いもの、嫌いなものは「そこまで聞いてねぇよ……」えと、ごめんなさい」 どうやら、混乱していたのは私も同じだったみたい。 「俺は凉夜陽人(すずやはると)役は『チェシャ猫』だ」 チェシャ猫……? あ、このイケメンさんもコスプレですか? ピンクの猫耳と、しましまのしっぽがついてる。 「断じてコスプレではないぞ」 「読心術!?」 「ブツブツ言ってるの聞こえてるし」 あ、口に出してたのか。 あれ? コスプレじゃないってどうゆうこと? ,
/275ページ

最初のコメントを投稿しよう!