俺様発情猫→陽人

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「えっと……本物?」 確かにさっきから耳がピクピク動いてる。 しっぽもユラユラしてるし……良くできた作り物ね。 ピクピク動く耳を見てたらまた抑えきれない好奇心が…… ……触りたい。 気付いた時には陽人の耳に触っていた。 柔らか~ 気持ちいいねコレ。 「……何してるの?」 物凄く冷めた目で見られました。 「…ごめんなさい」 私ったら助けてもらった人になんて失礼なことを… 「まぁいいか、アリスお前の役は 『アリス・リデル』――――創造主だな」 うーん? 何を言ってるのかな? 意味がわからない。 アリス・リデル チェシャ猫 って何かで読んだ気が… …あ! 『不思議の国のアリス』 ん? でもアレって夢落ちだった気がするんだけど。 あーそれならさっきも衝撃がなかったのが納得できるわね。 「何眉間にしわ寄せてんだ? 老けるぞ」 「――…は? まだまだ老ける年齢ではありませんからご心配なく」 「言い方むかつく……」 「アンタに言われたくないわ」 そう答えると、しばらく私を見ていた陽人はいきなり笑い始めた。 「クックッ…この俺様にそんな態度をとった女は初めてだな。 アリス!お前気に入った俺の森に招待してやるよ」 ニッと笑った陽人は、立ち上がると私の手を引いて走り出した。 「ちょ…待って!どこに……」 「チェシャ猫の森に決まってるだろ!案内してやるよ」 な……なんなんだこの俺様はっ!! ってか足早い! 半分引きずられているのにはむかつくけど、悔しい事にイケメンだ。 ん? 関係ない? そんな事ないよ? ,
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