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よく医療ドラマなどであるあの独特な電子音。心電図というやつだ。
「おい。まだ終わらないのか?」
重火器を持った男が、白衣服の男に向かって苛立たし気な空気を含みつつ口を開けた。
「もう少し、待ってくれ。後30分位で終わる。すまん、汗を拭いてくれ」
医者も重火器を向けられないように時間を正確に告げていた。それに繋げて、看護士に指示をする。
「だからって焦って失敗してもらっちゃぁ、困る。なんせ、こいつは兄貴の娘なんだからな!丁寧にやれよ。」
丁寧にやれというが、殺してもいいのかと誤解しそうだと医者は少し思ったが、見た目20位の娘を殺しても、どうにもなるわけでもない。
(この娘で、3人目だ。この薬と、お腹の中に箱をいれるのとどう関係があるんだ?)
医者は連続で手術させられていた中で、このような疑問が湧いていた。
「さて30分経った、そろそろ終わるのか?」
「あぁ、縫合する。」
「はぁ…やっと終わっ…」
重火器を持った男の気が抜けている隙に、メスをもって背後に医者が周り込み首筋に突き立てていた。
「んの゙やろ゙ぉ」
と、声を荒げ首から血飛沫をあげつつ重火器を放った。それも、狙いなど全くしていない。心電図の画面や、照明など機材全般に当たり、至る所から火花が上がった。
部屋の中の呼吸音は一人分しかしていない。
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