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社長室前というが、会社の事業が武器関係と言うことで、防犯対策として、強化ガラスは当たり前。会社員は、IDカードの所持。至るところに、防災シャッター。監視カメラと、防犯対策はバッチリだと父は言っていた。
川崎との会話に話題が尽き、今まで聞こうか迷っていたことをちずるは口にしてみた。
「ねぇ、川崎さんは父と寝たことありますか?」
「何をおっしゃいます、社長とご一緒したことはございませんよ。」
「そっか。それじゃ、そこの部屋に女性と一緒に入っていくところを見たことってある?」
「そのようなこともございませんけど。」
「そう。」
「どうしました?ちずるさま。そのようなことをお聞きになって。」
「どうってことないわよ。ただ、父もたまに帰ってこないことあるからそんなことないかなって思っただけ。」
「そうでございますか。」
会話が途切れたことを見計らったように、社長室の扉が開いた。
赤と黒を基調にした制服の大体10代後半位の女の子達がキビキビと歩いて出てきた。
「こんにちわ。」
ちずるは目があったので、挨拶程度だが一声掛けた。だが、相手は一瞥もせずにそのまま、エレベーターに乗って降りていった。
「父と話して、それ以上話なんかないって感じだったわね。川崎さんも、あんな感じの態度とられたの?」
「似た様な態度でした。」
「そっかぁ。父さんに少し聞いてみるね。後で話してあげる。」
「いえ、そのようなことは…」
「私一人がしたいことだから、気を使わなくていいよ。そしたら、また後で。」
言い終わるか終わらないかで社長室の中へと入っていった。社長室に入るには秘書の横に一つだけではなくその奥にも一つある二段式になっている。
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