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社長室の中へと入って、父の顔を見ると、渋い顔をしていた。
「どうしたの?父さん。」
「あぁ、ちずるか。いや、なに。首相直属の親衛隊とやらに支給品の提供の件について激励されてね。」
「それにしても、思い詰めた表情してたよ。」
「あぁ、大丈夫だ。なに、これからもう一人お客と会わなくちゃいけないんだが、ちずるにも同席してほしいと要望されてね。どうだろうか。」
「私が?なんで?」
「首相が夕食を一緒にどうだろうかと。」
【なんで私なんかを食事に誘うんだろ?。父さんとだけで良い筈なのに】
「わかったわ。それで、何時から?」
「時間なら、徳永に伝えてある。それまでゆっくりしていてくれ。」
「もう、やっぱり勝手に決めてた。なにか、一言は?」
「すまん。」
ちずるの意に介さずに決まっていたことのようだ。
「ん。それじゃ、夕食までゆったりしてるわ。それはそうと、さっきの無愛想な人たちはなんだったの?」
「首相直属の親衛隊だよ。」
「親衛隊だよって、そんなにすごい人たちなの?」
「いや、凄くはないよ。ただの乙女だ。ただ、首相が声を掛けて出来上がった組織だそうだ。」
「それでも、挨拶くらいは返してほしいものね。今度会ったときには、きちんとお話をしないといけないわね。」
「ほどほどにしなさい。首相直属の親衛隊だということを忘れずに。」
「分かってますよぉだ。」
そのまま、社長室を出て川崎と先程の女性たちの事の話をし、エレベーターに乗って、徳永の待つ階へと一直線に降りていった。
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