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徳永は車の中で待っていたようだ。ちずるの姿を確認した途端に、車を目の前に移動し降りて、ドアを開ける。
「どうぞ、お嬢様。」
「うん。」
そのまま、車に乗り込む。
徳永も運転席に乗り込む。
「それじゃ、服とか買いたいからいつものところに行って。」
「かしこまりました。」
車を発進させ、トンネルを過ぎていく。会社の門を過ぎ、高速道路に乗り、行き付けの店へと向かう。
「社長からですが、5時頃に、先程のエレベーター前にて待ち合わせと伺っております。」
「わかったわ。それに間に合うように、適当に過ごしてくるわ。」
等と言い、店の前に着いた。
「私はご一緒した方がよろしいでしょうか。」
「いえ、私一人で良いわ。」
「かしこまりました。行ってらっしゃいませ。お嬢様。」
「いってきまぁす。」
ちずるは店の中へと入っていった。
店は高層で人の出入りもとても少ない。それなりよりも、高価なのだろう。
「これ良いかも。」
手に取っている服は見ても値札を一瞥もしていない。
「これちょうだい。」
「承りました。お会計はどのようにいたしましょう?」
「これでお願いするわ。」手提げ鞄から出したカードは金色。つまり一部上層市民しか持っていないクレジットカードだった。これには、見た目と似つかわしくないので、店員は驚いたが、平静を保とうと一泊おいてから受け答えした。
「承りゅました」
ろれつが若干回らなかったようだ。
「梱包して、こちらに送っておいてもらってよろしいかしら。」
手元から、一緒に名刺らしい紙を渡す。
「わかりました。では、少々お待ちください」
会計を済ませた。店内を見て周り、時間を潰したあと、父親と首相との夕食までの時間に近づいたので、店を出て、徳永の待つ車へと向かった。
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