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真田が叫びに振り向き駆け寄る。
問題発生は勘弁してくれと舌打ちを打った。
「今度はなんだ!?」
真田の言う今度は班長の事を大いに含んでいた。違う意味でしゃしゃり出る問題児は誰かと言った具合で苛立つった目で鈴と川原を交互に見る。
「真田何かようなの?」
「ようて…あのな!こんなとこで揉め事をしてもしょうがないだろう?」
「……」
「しょうがないて違うでしょ…真田、あんたは“もう隊長”であるから分からないと思うけどさ。後輩に罰を下すのは私の担当よ!」
「な、なに言ってるんだ!俺は隊長じゃない補佐に徹してるだけだ!それに鈴は何も悪いことはしてないだろう!」
「何もしてない…?何もしてないのが問題なのよ!ルーキーだかホープだかしんないけどコイツが悠斗が撃たれて倒れた時何をしてたか知って言ってるの!?」
髪を振り乱し感情を現わにし真田に文句を垂れた。刃物でも突き刺す勢いかのような喋り口に真田は顔を歪ませ嫌な表情をした。
「実戦の震えは誰しもが通る関門だろ…鈴はその関門を今回経験したに過ぎないだろう…」
一歩下がった位置で言葉を紡ぎながらも声を詰まらせていた。経験にしてはあまりのものだと彼は思っていたからだ。
鈴は真田の悲しみにも似た面持ちと恋人を殺され冷静さを失った川原のありように鈴はこの場所から遠くに逃げたい気分に苛まれる。
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