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「じゃあ誰がこの隊を指揮するつもりなの?」
真田の言い方に腹を立たせいるのか鋭く睨みを効かせた。
「階級から数えたら俺になるだろうが…俺は補佐しかやらないつもりだ」
隊長の死亡に責任を負うかのような渋々さを口にする。
「そう、でも後ろのお二人はどういう意見なんでしょうね」
川原は真田の返答に満足し腕を組むも腑に落ちない様子で切れ長な目を細めた。
真田は横目で伊東と石井を見ると二人のなんとも言えない不安な顔と銃を持った姿に移動を急ぐ事にした。
「だが、味方と合流するまでは俺が指揮を執ろうと考えている。それにあいつの遺体も早く運んでやりたいんだ」
「そっかぁ…そうね」
物思いにふける優しい目をして細い指先を唇に近付かせ軽く唇で指をアマガミした。
真田の言葉に先程とは違い冷静さを徐々に取り戻しながらも鈴を見る視線には悪意が込められていた。
鈴は視線を耐え忍ぎ反論とか違うとかも言わず押し黙る。
それだけ避ける術を知らなかったからだ。
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