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しかし普段と変わら単純明白な真田と伊東とは違い、遠い距離間が石井と川原の間にはあった。
焚火の回りに座り込む川原はバチバチと木の鳴る音を聞いていた。
温かい筈の炎を冷たく感じる目には世界が終わったみたいな感情が現れていた。
問い掛けられても口を閉ざし、触れなれた声すらも耳には残らないのか川原は目を閉じることなく炎の中心を眺めていた。
石井にはそれが自分に対する抗議に見えて辛かった。
彼を死なせたから私の励ましの言葉は彼女に届かないのかと深刻に考えていた。
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