Prologue

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「ちょっと聞いてくれよぉ~石井。俺っちにダイエットしろって言ってくるんだぜ!」 「………」 「しかもこの実戦装備だろ?なんか太ってる人間に厳しくないか?」 石井が伊東から愚痴を聞かされている様子に真田はなんてタイミングで話しを遮るんだこの“デブちょ”はと緊張感のなさから割って入る。 「愚痴なら本人に言えばいいだろ」 「なんだよ!?潤いを必要にしたら悪いのか?」 「…悪いとかじゃなくて愚痴を喋れる状況じゃないんだよ!」 石井から突き放し真田は親指を突き上げ後ろを差す。差した先は寝そべる遺体に俯き涙を流す川原早苗の姿であった。 伊東はそれを見て驚くよりも“ああ、やっぱり死んだ“かと顔に出す。 胸に2発受け10分保っていたが優れた人間でも死ぬ時には死ぬんだと思い。彼女のいない伊東は彼が川原に見取られるのは幸せでいいなと映画のワンシーンが視界に現わになり片隅で羨ましく感じていた。
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