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その日も、彼は泣いていた。
否応なしに与えられる快感と、諦めに似た感覚と、それでも今日こそは、と思う気持ちで。
彼、御厨谷 芭薫(みくりや はなた)は今、ホテルの一室のベットの上で、上半身の白いワイシャツのボタンを全部外され乳首からおへそから見え、
下半身には何も付けていないが、幼児がハイハイするような格好になっているその菊門には一本のバイブレーターが入っている状態だ。
ヴヴヴヴヴと小さめながらも音を鳴らし続けるそれに御厨谷自身、羞恥心を隠しきれない様子で顔を赤く染めていた。
本来リモコン操作で動かされるタイプである挿入物のスイッチは、御厨谷の傍にいる男が握っている。
彼の名は、梔 征市(くちなし せいいち)。
御厨谷の「彼氏」だという。
身長は170を越しており、程よく付いた筋肉は今は白と青の縦のストライプ柄のワイシャツに納まっている。
黒髪を短く揃え、端正な顔立ちを見下すような形にし、梔は御厨谷を、自分の恋人を腕組みしながら見ていた。
少し緩められた藍色のネクタイから覗く魅惑の三角形に惑わされ、御厨谷はいつも嫌だと言えずにオモチャの餌食となる。
それくらい魅力的な三角形を惜し気もなく晒し、あらがい続けようとする御厨谷に対して、お仕置きとばかりに躊躇なくローターの勢いを最大にした。
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