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「シンプルに考えろ」
霧科が呟くようにそう言い、その通りに考えてみた。
要さんが休み。イービルレインの脅迫状。授業の中止。
……待てよ。これって……。
「先生の身に何かあったのかもしれない」
「っ!?」
一瞬だけ目眩がした。
脅迫状なんて、おかしいと思ったんだ。
それなら合点がいく。
「……茜さんに話を聞かねぇと……!」
霧科と怜奈が小さく頷き、オレはドアに手を掛ける。
しかし、オレが開くより前にドアが開いた。
「……え?」
何事かと思い、開いたドアの向こうを見ると、なぜかそこには直久さんがいた。
黒いロングコートに身を包み、オレ、怜奈、霧科を順番に見たかと思うと、教室の中をグルリと見回した。
さっきの茜さんの話があったせいか、一瞬にして教室が静まり返る。
「あの……何してるんですか?」
「……身に覚えのある奴は来い」
オレの問いには何も答えずに、短くそれだけを告げ、去っていった。
何事かと思ったが、とりあえず身に覚えがありすぎるのでついていく。
後ろからもいくつかの足音が続いた。
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