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悠人の足元には黒く蠢く魔方陣が現れると、すぐに沈むように魔方陣に飲み込まれていった。
「これで良かったのかや?」
母親の後ろから、声をかけたのは、左目の無い青年。
「はい。私が死んでしまった為に悠人が悲しい思いをするなら…
それよりも申し訳ございません。
魔王様のお力を息子に分けて頂き…それに左眼まで…」
「良い。それに魔王様など他人行儀なことを言ってくれるな。
俺は魔王であると同時にそなたの使い魔ぞ?
元ではあるがな…」
2人は少年…悠人が旅立った場所を見つめながら、悠人の想いは別として、幸せを願った。
かくして、少年の深い悲しみより始まった物語はすべてを巻き込みつつ、また動き始めた。
少年はこの先、何を見、何を成し得るのかまだ誰も知らない。
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