転生

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白い壁に小さなテレビ。 白いカーテンと窓から見える、葉のついてない裸の木の、もの寂しげな景色。 脇に置いてある小さな棚兼用の台には、唯一の肉親だった母さんの写真。 優しくゆったりと微笑む表情をした母さん。 だが、今は会うことは出来ない。 半年前から母さんは行方不明らしい。 なんでらしいかと言うと、警察が捜査しても、殺人だとか拉致だとかの証拠が何も無いらしい。 ……“らしい”ばかりだな… まぁ、話はそれたが俺は生まれてからこの光景しか知らない。 そして、俺もそう長くはないらしい。 気づいた方もいると思うが、俺は生まれてからずっと病院にいる。 しかも特殊な病気らしく、隔離された部屋に押し込まれてる。 どうして… どうして… …俺が何したっていうんだよ…… ただ生まれてきて 病気に蝕まれて 母さんの優しさに包まれて 小さいながらの幸せにしがみついて 毎日を必死に生きてきた。 それなのに… 俺の人生は14年で終わってしまう。 なんでだよ…
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