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次の朝
「早く、早く」
「待ってよ。今、行くから」
和は張り切って素早く支度をして、今、もう靴を履いて玄関で俺を待っている。
「お待たせ。」
「仁、遅いよ~!」
和を見ると、いつものようにマスクにハット。
そんな健気な姿を見て、泣きそうになった。
犬みたいに忠実な奴だな。
俺は、和に近づいて、マスクとハットをそっと外した。
「和、もうしなくていいよ。」
和はキョトンとしていたけど、
「うん」
そう頷いて、嬉しそうにドアを開けた。
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