Ⅵ
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黙ったまま俺を見つめている和に、和がしてくれるキスとは違う、濃厚なキスをした。 和の息が上がり、俺を掴む手に力が入る。 「和……」 俺の手が和の洋服にかかった時に、和は首を横に振った。 顔を見れば、涙が目尻から流れた。 「仁……」 俺を呼んでいるのに、俺じゃない誰かを見ている。 ………ああ、そうか。 俺は、やっと気付いたんだ。
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