11/12
前へ
/132ページ
次へ
それに、自分と抱き合ってるなんて、よく考えるとすごいことだよな。 「じゃあ、俺も言うけど、和も19歳の仁に好きだって言えよ。…あの頃、色んなヤラカシに追い回されてて、彼女なんてできてなかったよ。それより、いつも俺の心配してそばにいてくれてたけど?」 和は俺から離れて、ジッと顔を見た。 「うん。いつも大丈夫かって心配してくれる。そばにいて頭撫でてくれるよ。」 「だろ?あの時は分からなかったけど、少し離れちゃった今、どれだけ大切に思ってくれてたかわかるよ。」 和はポロポロと涙をこぼし始めた。 「仁に会いたい。…会いたいよ…」 俺にそう言った。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加