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一面墨を流した様な灰色の世界。他の色は全く無かった。
音も無く進む長い長い行列の中に私はいた。
どこに向かうとも知らないまま、ただひたすら直ぐ前を歩く人の後に続くしか無かった。
足音も声も立てずに静かに、それでもやや足早に進む行列。
感じるのはただただこの道は「絶滅の縁」である事だけだった。
思わず「違う!私はこの世界の人間じゃない!」
そう叫びそうになるのに、それはこの場では許されない事の様に感じられ、震える身体を灰色のマントの胸元を抑え、震えながら歩いた。
徐々に恐怖で足が萎えそうになる。
早くこの世界から抜け出さなきゃ、と思った瞬間、金縛りにあった。
それで夢の中に居る事がやっと認識出来た。
夢ならば叫んでも良い!そう思い「助けて~!」と必死で声を絞り出した。
そこで眼が覚めた。
今迄に見てきた夢の中でも、最も怖い悪夢だった。
恐らくは、大震災で多くの命が失われた事で、この様な夢を見たのではないかと思われるが、
これ程迄の圧倒的な「絶望感」は、鬱病患者の私でさえ、初めての思いだった。
けれど、この現実世界でも、被災された方々に比べれば、何ほどにも及ばない事を、改めて考えさせられた。
一人でも多くの方の救出と、早期の復興を心よりお祈り申し上げます。
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