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19世紀初期頃 悪魔界
『はあ ?どうして俺がそんな奴を鍛えないといけないんだよ』
ジャック・ロイドはこともあろうに、悪魔界を統べる"王"に向かって軽口で喋っていた。
本来ならば三大悪魔のみしか王と"直接"話すことは出来ない。
ジャックはこのときまだ特級悪魔にも関わらず、軽口で喋り、直接話をしているのだ。
『ジャック・ロイド!お前は誰に向かって口を聞いているんだ!』
王の側に控える三大悪魔の1人が怒鳴った。
だがジャックは、自分に対して怒る三大悪魔を完全に無視する。
『……三大悪魔はここから出て行くんだ。これは"私"からの命令だ』
『分かり……ました』
王が静かな声で言うと、三大悪魔達は一度王にひざまずき、即座に出て行った。
『お前が悪魔界を嫌っているのは、私の耳にも届いておる。だから、お前に頼んでいるんだ。面倒かもしれんが……』
少し悩んだ結果、ジャックは決断した。
『"俺"が自由に悪魔界と人間界を出入りしてもいいなら、引き受ける』
『許可しよう。その悪魔は"ルノアス・ベアトーズ"という名で、イギリスのロンドンにいるだろう』
『時間がかかりそうだな……。じゃあ、俺流に鍛える』
王は何もいわずに頷いた。
それを確認したジャックは、王の前から姿を消して、そのまま人間界に向かった。
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