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同じ頃 夜 ロンドン
"ルノアス・ベアトーズ"という悪魔を探すのは、案外大変だった。
ジャックは主に夜のみ行動して、気配を探りながら"ルノアス"を探す。
だが、似たような気配が多過ぎるので分からない。
ーーー悪魔も死神も多過ぎだ。探すこっちが大変なんだよ。
ジャックは壁に寄り掛かって、気配を探る。
現在の時刻は真夜中の12時を過ぎた頃であるため、人間は見かけない。
『王から引き受けたのはいいが、面倒だし、つまらない……。死神でも出て来ないかな』
ジャックが呟くのとほぼ同時に、面倒な相手の気配を近くに感じたのだ。
面倒な相手とは、死神を指す。
『魂を……喰らいに来たのかしら?』
ジャックの目の前に、長い黒髪の女性が突如現れた。
ーーーどうやら死神……みたいだ。よかった、向こうから悪魔に会いに来たようだな。
ジャックは不敵な笑みを浮かべる。
一方の死神は、あきらかに嫌そうな表情をしていた。
「あなた、ジャック・ロイドね?最近このロンドンに出没している悪魔っていうは……』
『俺は魂を喰らっている訳じゃない。出没したっていいだろう?』
『それでも駄目なのよ』
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