Episode 1

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イギリス・ロンドン郊外 アウスメイダ公爵家、屋敷の寝室 「あれ……ここ、は……」 グレイン・アウスメイダは目を覚まして、ゆっくり体を起こした。 見慣れた部屋を、何度もまばたきをしながら見回すグレイン。しばらくするとベッドから降り、朝日が差し込む大きな窓に近づいた。 「やっと起きたか、グレイン」 グレインは弾かれたように勢いよく振り向く。 声の主は、腕を組んで部屋の扉に寄り掛かるルノアス・ベアトーズだった。貴族の正装のような服装をしており、見た目は20歳前後くらいである。 「ルノアス……なぜ、ここに?」 グレインの言葉にルノアスは思わずため息をついた。 「何を言っているんだ、グレイン。1週間前のことを、もう忘れたのか?」 「1週間前、ですか?」 どうやらグレインは1週間という長さに頭がついていっていないようだった。 「まさか、僕と"契約"したことを忘れていないよな?」 ルノアスの一言で1週間前の出来事を思い出したのだろうか、グレインの表情が急に暗くなった。 暗い表情のままのグレインにゆっくりと近づいて、ルノアスはある程度の距離に来たところで歩みを止める。 「1週間前に一応"契約"はしたが、お前から目的を聞いていない。目的を言ってくれ」 「私は妹のレネスラーを守りたいと、言ったはずです」 「確かにそれは聞いた。でもお前には、妹を守る以外に本当の目的があるんじゃないのか?」 ルノアスの言葉に対して、グレインは一瞬驚いたような表情を見せた。 そして、何かを考え込むように目をつぶる。 その数秒後、グレインは決意を固めたのか、目を開き、ルノアスをじっと見つめて言い放つ。
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