一ノ刻 -迷い餓-

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ううん…… 今は、そんな事を言って悩んでいる場合じゃない!! 早くお母さんを見つけなきゃ……。 いつの頃からだったろうか、こんなにも感情を出すようになったのは。 私は見つめてくる、海里に意識を向けて 「居場所ってどこなの?」 そう言うと、海里は地図を出してその中の一点だけを指さした。 「ここ…あの都市伝説のある山の中」 海里の口からは、ありえない言葉が出た。 都市伝説のある山……… 間違いない。あの山だ。 あの山は都市伝説と噂されていた。 その山に一度入ると、二度と戻れなくなる。 私は、そんなものウソだと思っていた………いや思いたかった。 行方不明者が相次いでいるなか、噂さは現実になっていく。 そんな場所に自分が行くのだというから、少しばかり震えてしまう。 「……珠稀。どうするの?」 私の答えは、もう既に決まっている。 でも、一度踏み出すともう後には戻れない。 目を数秒の間閉じて、気持ちを整理させる。 そして、 「行くよ。私は行く。」 ハッキリとそう私の思いを伝えた。
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