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あぁ‥‥‥ちゃんと、母さんの
言うこと聞けばよかった‥‥‥。
―――
激しい衝撃と耳を刺すブレーキ音ゴムの焼け付く匂い‥‥‥。
不思議と体に痛みを感じない。
‥‥‥‥なんでだ
そして、目の前に広がっていたのは鮮血の海‥‥‥‥。
「母さんっ!!」
そこには、赤い海の真ん中で
ぐったりと動かない母の姿。
母は俺が家を出た後
後ろから追ってきていた。
それでかばった。
「いやだ‥‥いやだいやだいやだなんでだよっ!!返事しろよっ!!」
声は黒い空に吸い取られ、
涙は悲しくも雨に掻き消された。
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