台風、直撃前日

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「ハァ、ハァ、ハァ‥‥‥‥」 着いたけど、この距離でも走ると疲れるんだな 多分雷、自宅の近くに 落ちたんだよな 「それよりも猫が心配だ」 階段を駆け上がって 勢い良く玄関の扉を開けた。 「黒猫、大丈夫か!?‥‥‥あぁ?」 ‥‥‥‥‥‥‥はぁ? おいおいおい、誰だっけ? そこにいたのは‥‥‥‥。 黒く綺麗でしなやかな長い髪、 肌は絹のように透き通る白さ、 背は160センチ弱、 歳は俺の1つ上か2つ上 見た目はまさにモデル。 でも頭にはミミ?それと特徴的なカギしっぽ‥‥‥‥。 「あ、あのぉーどなたですかね?」 やばいやばい‥‥ 冷や汗止まんねぇー しかも服、着てないんですよねー なんで、なんで まさかー雷で俺イっちゃってる? 記憶ない間で襲っちゃってた? んなわけない、そんな勇気ない。 「なに、焦ってるの?? とりあえず、着るものくれる??」 「え?あ、は、はいぃ」 急いで、Tシャツとジャージを 引っ張ってきて手渡した。 「ふぅ、全く 湯冷めしちゃったじゃない」 「え、えっともう一度聞きますけど、どなたでしょうか?」 その女性は咳払いを一つして 「なに言ってるのよ。 アンタが拾ってくれたでしょ??」 は、はぁ。 なるほどなるほど。 10分前には猫だったのが 綺麗な綺麗な女性になったわけだ あはは、笑える冗談だ 「ちょっと、考えさせてください」
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