運と思いの連鎖

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人だかりが去るとその楽士は、二人の元に静かに歩み寄った。 「ありがとうございました。・・・あの、つかぬことをお伺いしますが此方の方ですか?」 楽士は、深々とお辞儀をして遠慮がちにそう訊ねた。 此方の方とは、新g… こほんっ 壬生浪士組の人かと聞きたいのであろう 「僕等は、壬生浪士組ですよ!浪士組に何かご用でも?」 誠咲の言葉を聞き楽士は、ホッとした表情を浮かべて口を開いた。 「実は、此方に私のツレが連れて来られたと言うのを耳にしまして・・それで確認を、と・・・」 楽士は、苦笑を浮かべながらそう言った。 「ツレ?旅芸人のツレ??」 「芸人っぽい人って連れて来られてたっけ?」 楽士の言葉に思い当たる人物が居ないため二人は、顔をしかめた。 「出来れば特徴とか教えてくれませんか?」 「はい、見たら忘れない格好をしているので言えば分かってもらえると思います。」 誠咲の言葉に楽士は、苦笑を浮かべて小さく口角を上げた。 「赤い髪の赤い目をした鉢巻きを巻いた男です。口調が語尾を――しぃ。と`し'で終わる事が多くよく伸ばしてます。」 「「・・・・・」」 楽士の言葉に一気に二人の脳内に先程出会った男の顔が浮かび上がった。
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